大学の学びのスタイルは不登校経験者にも合っている

「学校」に通うことが苦痛だった自分が、大学に合格したとしても通えるのだろうか? また、行くメリットがあるのだろうか? と思う人もいるだろう。しかし、実は不登校経験者の中には、むしろ大学進学が向いている人も多い。大学の先生方のなかにも、そのような思いでいる人は多いのではないだろうか。

なぜなら、大学は、高校までのようにクラスなどの自分の意志とは無関係な集団で足並みを揃えて行動することが求められる場面が少ないからだ。もちろん、少人数制で管理が細かく他者と進捗を合わせる必要のある授業もあれば、小規模な大学には高校のようなクラスが存在することもあるが、比較的過ごしやすい環境の大学を受験して進学することもできる。

そして、大学には全国各地から多種多様なバックグラウンドを持つ人々が集まるため、自分と気が合う人が見つかる可能性も高い。特に同じ学部を志した人は、趣味が近いかもしれない。そうした交流を持つなかで、人付き合いに少しずつ慣れていくこともできるのだ。

日本の若い大学生のグループが、屋外でノートパソコンで勉強しています。
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授業の時間割を自分の興味や生活スタイルに応じて選択できる余地が大きい点も、重要なメリットだ。好きなことをとことん突き詰めたい“オタク”タイプの人間にとって、大学の授業は楽しく感じるかもしれない。

志望校を決める時の留意点

志望校を決める時は、以下の点に留意すると良いだろう。

・通学時間と距離、生活環境

多くの時間を割くことになる大学周辺、あるいは大学に行くまでの環境が、ストレスなく過ごせるものであるかどうかは、非常に重要だ。

・クラス課外活動の方針、授業スタイル

大人数の講義形式が多いのか、少人数制の授業が多いのかは、大学の雰囲気によっても異なる。自分の特性に合う大学を選ぼう。

・受験科目と選抜方式

好きな科目で勝負できる大学・学部や、科目の試験以外にも面接や作文を評価してもらえる選抜方式もある。それらをよく調べ、自分が最も自信をもって試験に臨める状態であれば、力を最大に発揮できるだろう。

他にも、特定の大学や学部に思い入れがある場合は、その大学・学部に合格できるように逆算して計画を立てることが必要だ。