インターネットでこそ保守のイメージが強い西田ですが、西田は野中広務の後継者です。地元では野中の事務所を引き継いで使い、野中の後継者であることをアピールして選挙戦を展開しています。スキャンダルの追及で政権を揺さぶるさまは、野中の再来のようでした。
辞任ドミノ、中国や韓国絡みのスキャンダルが続々…
スキャンダルの追及により、第2次改造内閣は閣僚の辞任ドミノに見舞われます。
平成23(2011)年3月4日、外務大臣として入閣した前原誠司に在日外国人からの献金が判明します。前原が辞任した3月7日には、専業主婦の年金届出漏れへの対応で厚労省が課長通知で救済策を指示していたことが問題化し、厚労大臣の細川律夫が引責辞任します。
3月9日には、民主党の菅グループ代表だった土肥隆一が日韓キリスト教議員連盟会長として日本の竹島領有権放棄の共同宣言に署名したことが発覚します。さらに菅首相にも在日外国人からの献金疑惑が報道されました。
続発する中国や韓国絡みのスキャンダルで、民主党と菅内閣には「売国政党」「亡国政権」のイメージが強まりますが、菅内閣は意図して亡国政策を行えるほど能力は高くありません。
選挙直前に増税を言い出して負けたので増税ができない、つまり財務省の言いなりになる能力すら、なかったのですから。
東日本大震災の対応は「現場を混乱させただけ」
外国人献金問題が菅直人首相にまで及び、野党自民党はいよいよ首を取るぞと意気込んで国会質疑に臨みます。平成23年3月11日、まさに国会で野党が疑惑を追及している真っただ中、東日本大震災が起こりました。
誰もが予想だにしなかった、未曽有の大規模災害です。この大災害で菅内閣に対する追及は一時沙汰止みとなりました。
東日本大震災は、地震の規模もさることながら、地震に伴う津波で広範囲にわたり大きな被害が出ました。
そのひとつが福島第一原子力発電所の津波被災です。電源喪失により原子炉が冷却不能となり、菅内閣は地震と津波による被災者の救助・支援と同時に、刻々と深刻度を増す原発の状況にも対処しなければならなくなります。
菅内閣の災害対応への批判は、現在も多く残されています。対策会議の乱立と指揮命令系統の混乱、支援をめぐるアメリカをはじめ諸外国政府との意思疎通の不備、被災者に支援物資を届けるロジスティクスの弱さ、首相自ら原発事故現場へ出向いたことで作業が妨げられたという批判などなどです。