農村に隣接した新興住宅地は狙い目

③の「田舎に新たに造成された新興住宅地の空き家」というのは、②のリゾート分譲地ほどではないけれど、元は原野や野山だったような土地をデベロッパーが開発して住宅地として売り出した土地のことです。

私が今住んでいる場所はまさにこれです。もともとは農村で、地元の人の多くは農家ですが、私が住んでいる小さな分譲地はバブル期に造成されたもので、造成後、そのデベロッパー(当時は有名な大手)は倒産してしまいました。

売り出した当初は、都会の人が投資目的で買ったものの、バブルがはじけて放置。そうした不在地主の土地は今でも空き地のままで、草や木が生え放題です。

もちろん、地価はどんどん下がり、今では売り出したときの価格の半額どころか、一桁違う価格でも売れません。地元の不動産屋も「ただでくれると言われても、売れないし、固定資産税がかかるだけだからいらない」と言います。

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価格とアクセスも手ごろで、ゆる~い雰囲気が暮らしやすい

購入者が死んでしまっているケースも多く、たまに、相続した子供が「親父が持っていた土地ってどういう土地だ?」と見に来たりしますが、処分に困って、隣家に「いくらでもいいので買ってくれませんか」と持ちかけたりしています。

一区画は100坪前後で、そこに家を建てて通年居住している人たちの多くは、栃木県の他の場所から引っ越して来た人たちです。宇都宮市のような都市部は地価が高くて手が出ないけれど、このへんまで引っ込めばなんとか買える。宇都宮に通勤するのも、車で30分くらいなのでなんの問題もない。静かな環境でゆったり暮らしたい、という合理的な考え方の人たち。

この種類の住宅地、分譲地での生活は、①と②の中間くらいの雰囲気です。つまり、昔からそこに住んでいた人たちが作る地域社会のような因習・伝統は薄いけれど、純粋な別荘地のように元都会人ばかりの社会でもない。なんともゆる~い雰囲気。

購入を決めたときはそこまで理解していなかったのですが、結果的にはとても暮らしやすい環境でした。