プロ野球チームを持つ鉄道会社ならではのサービス
約3万3000人収容のベルーナドームでは、アイドルやアーティストのコンサートといった大規模イベントも行われる。催事のときはほとんどが鉄道利用で、しかも土地勘のない来場者も多くなるので、より丁寧な案内が必要になる。
効率的な大量輸送サービスとして積み重ねている野球ダイヤの経験が生かされるのは、そういう時だ。
「3万人は本当に大変ですけど、無事にお客さまを送り出せた時の達成感はすごくありますよ」と脇田駅長。
日本唯一のフレキシブルな鉄道ダイヤ。他に例がないのは、非常に手間がかかるからだろう。それでも続けているのは、「より多くのお客さまに、西武鉄道でベルーナドームにお越しいただいて、楽しい気分のままスムーズに帰ってもらって、また電車で来ようと思ってもらいたい」という鉄道屋精神。
加えて、脇田さんも、茂木さんも、広報担当者も、同じ意味の言葉を口にしていた。「プロ野球チームを持っている鉄道会社ならではのサービス」。たしかにそうだ。アイデンティティーをビジネスに生かしている好例だろう。