刑事的な措置でも医療的な措置でも治らない

単なる興味から大麻に手を出し、それからよりハードな薬物へ移行。ついには命を落とすという悲しいケースです。覚醒剤では慢性中毒に陥り、治療で回復しても、また、覚醒剤の魔力に引き戻されてしまう。

瀬戸晴海『スマホで薬物を買う子どもたち』(新潮新書)

「スマホとネットがあれば世界中どこからでも安いエスを買うことができる」と仲間内に豪語していたそうですが、結局、依存から脱却することはできなかった。

20年ほど前に、彼の姉から相談を受けたことがきっかけで彼との縁が生まれ、私は取締官という立場を越えて彼と接してきました。彼の方もなぜだか妙に慕ってくれて、海外からカードを送ってきたり、定期的に電話を寄越しては他愛ない雑談をしていました。それだけに姉から突然の訃報を聞かされたときはショックでした。

深入りすると、刑事的な措置によっても、医療的な措置によっても、薬物から抜け出すことができなくなる。彼の死を通して改めてこの事実を学んだ気がします。

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