日本→EUは簡単だが、EU→日本は難しい

一方、日本の入国規制は、20年3月以降、ワクチンを必要回数接種していようが、陰性証明があろうが、あくまでも隔離措置を続けたので、在外邦人の帰国には大きな障壁となった。

それでも隔離措置を覚悟でギリシャから日本へ帰国した友人知人もいた。

皆、一様に「外務省、厚労省、デジタル庁の各サイトの説明に一貫性がなく、複雑でわかりづらい。おのおのが推奨しているアプリも違うので、複数のアプリをインストールしなければならなかった」とうんざりしていた。

外国人に至っては、21年の東京五輪の選手や関係者には緩い制限で入国を許可した一方で、留学やビジネス目的のビザを発給せず、新規入国を厳しく制限していた。いつまで日本は“鎖国”を続けているのかという批判的な意見が世界中で噴出していた。

世界にひとつだけの日本の入国アプリ

5月末の時点で日本入国に必要なものは、入国者健康居所確認アプリMySOSの登録(7月8日からはウェブ版の「MySOS Web」が導入された)。言うまでもなく、日本独自のアプリでEUシステムとは連携していない。

入国者健康居所確認アプリMySOSの画面(筆者撮影)

そのアプリ内で、

① WEB質問票
② 誓約書
③ 出国前72時間以内の検査証明書(PCR陰性証明)

を事前登録するのだ。

アプリ内で過去のワクチン接種証明の登録も求められる。必須ではないが、条件によっては3回接種完了を証明できれば隔離・検査免除になるので登録した方がいい。

ちなみに、スマホの位置情報設定・保存や接触確認アプリCOCOAも必須とあったので、インストールしたが、結果としては必要なかった。

厚労省のサイトはやたらと難解に書いてあるため、旅行会社や航空会社のサイトを確認すると、これらのサイトの方がよほど簡潔明瞭に書かれていた。

MySOSアプリは、必要書類を登録して審査が完了すると赤→黄→緑→青に色が変わっていく。

先に帰国した友人やメディアの報道などでも、「PCR陰性証明は日本に到着した時点で不備を指摘されて入国できないケースもある」という恐ろしい話を聞いていたので、事前にスマホ登録して審査完了、緑もしくは青になれば安心できる。