「タバコでイライラが収まる」はただの中毒

「イライラしたときにタバコを吸うとすっきりする」とか、「タバコを吸い込むと深く呼吸ができて落ち着く」など、とかく喫煙者はタバコでストレスを解消しようとしますが、本当にそれは可能なのでしょうか? 答えはノーです。

タバコに含まれるニコチンは交感神経を過度に刺激し、心拍数の増加や血圧上昇、さらには血管を収縮させる作用があります。結果、血流が滞って血液がドロドロになり、内臓の働きが低下して生活習慣病を引き起こす原因に。交感神経が過剰に優位になるので、もちろん自律神経のバランスにも悪影響を及ぼします

小林弘幸『眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話』(日本文芸社)

ではなぜタバコを吸うとイライラが収まるのでしょうか。それは、ニコチンによる依存症状が関係しています。タバコを吸い続けると脳がニコチンに依存し、ニコチンが切れると今度は脳がニコチンを要求して落ち着かなくなりイライラが始まります。そんなときにタバコを吸うと脳が満足し、あたかもストレスが解消されたかのように感じるのです。

つまり、タバコはストレスを解消するのではなく、むしろ・ニコチン切れ・というストレスの原因。タバコを吸うことでは、決して日常のストレスを解消することはできません。肺がんをはじめとするがんとの因果関係も実証されているので、百害あって一利なし。たまの喫煙も依存につながるので、タバコは絶対に避けましょう。

寝てるのに疲れが取れない人が就寝前にやっていること

自律神経を整えるには睡眠の質も高める必要があります。それには副交感神経がしっかりと働く「リラクゼーション睡眠」を目指すことが重要です。毎晩のように夜更かしや眠りの浅い状態が続くと、交感神経優位の「緊張型睡眠」になり、いくら寝てもすっきりせず、心身ともに疲れがとれません。

一方でリラクゼーション睡眠が得られるようになると、前日の疲れを十分に回復させることができ、朝の目覚めもよくなります。このリラクゼーション睡眠をしっかりととるには就寝前の過ごし方をルーティン化することがおすすめです

まず夕食は午後8時頃までに済ませるのがベスト。食後あまり時間を置かずに就寝すると、内臓が休まらず眠りが浅くなってしまいます。

入浴は39~40度くらいのぬるめのお湯に15分ほど浸かると、副交感神経の働きがよくなり睡眠の質を高めてくれます。あまり熱いお湯に入ったり、シャワーだけで済ませたりするのはNGです。

食事や入浴の後は交感神経を刺激しないよう意識的にゆったりと過ごすこと。寝る直前のお酒は眠りが浅くなるので、お酒を飲むなら早めの時間帯にたしなむ程度に。就寝の30分前にはスマホを置き、リラックスしてベッドに入れば、「眠れない」なんてこととは無縁になります。

毎日同じくらいの時間に寝起きして規則正しく生活することで睡眠の質が高まり、自律神経も整ってくるのです。

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