「副業」をがんばってもお金が増えない理由とは

その意味では、いわゆる副業は時間の捉え方を間違っていると思います。つまり、時間という貴重な原資を無駄づかいしているのです。副業で本業がおろそかになり、会社からの信用を損なう人が少なくありません。職場で浮いてしまい、本業の給与も増えないし、リカバリーも難しい。

やはり急がば回れで、目先のお金よりも職場の信用を第一に考えて自分の時間をうまく使っていくべきでしょう。そして、その信用をテコにして、サラリーマン投資家として投資を行っていく。それが本書でお伝えしたい、私の結論です。

とはいえ、サラリーマンとして働きながら、信用を損なわないように時短をするのは、相当難易度が高いと思う人のほうが多いかもしれません。

でも、信用というのは時間の長さではなく、やっている仕事や職場の人とのやりとりの濃密さによって育まれます。つまり、一定時間内にできることの中身をどう充実させるかを考えれば、結果的に信用を損なわない時短を実現できるとも言えるわけです。

もちろん、その前提として、スケジュール管理をきちんと行う必要があるのは言うまでもありません。でも、基本に立ち返れば、やるべきことは結構単純です。

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タスクをスケジュール化する本当の意味とは

スケジュール管理の基本は、あるタスクをいつまでに片づけるかという「期限」や、いつやるかという「予定」を見える化することです。なので私は、やるべきことが決まると、それをまずスケジュール化します。

つまり、タスクをタスクリストのままにしないで、スケジュール帳に書き写して、自分がそれをやり切る時間に転換するわけです。

そうすると、この仕事は今週中には終わらないな、といったことが明確にわかるようになります。それが抜けられる森なのか、抜けられない森なのか、わからずに足を踏み入れると、日没までにここを抜けられるのかと、すごく不安になるでしょう。

それと同じで、いま抱えているタスクが自分で対応できる範囲なのかどうかということが、スケジュール化することによって初めて見えてくるのです。

私は新入社員の頃からそうしていたのですが、スケジュール化せずに、タスクリストのまま仕事をしている人も少なくありません。よく不安にならないなと、人ごとながら心配になります。