長崎大12人ほか計20人が国公立大に合格した!

――高3の6月からの受験勉強。本番まで1年もありませんね。

狙いは、国公立大学の学校推薦選抜の枠で、その入試は11月が本番。7月には受験する大学を決めなければいけないので、焦りましたね。30人は学年の4分の1。(受験対策の)講座前から「国公立大学に行きたい」と言っていた子は1人だけでした。そこから入試の肝となる小論文の指導を始めました。説明会では、大学進学の準備は、今から始めないと間に合わないから、やってみて途中で抜けるのは構わないっていう話はしました。

私立福岡女子商業高校校長の柴山翔太さん(31歳)(写真=本人提供)

――そして2020年度は、長崎大12人、佐賀大1人、大分大1人、静岡大3人、山口大1人、和歌山大1人、北九州市立大1人の計20人が国公立大に合格した。

はい、2021年度は14人が国公立大学に合格しました[長崎大学6人、大分大学1人、北九州市立大学3人、山口大学2人、三重短期大学1人、名桜(沖縄県)大学1人]。その学年は生徒数が90人ぐらいしかいなかったので割合としては十分多いと思います。国公立大学以外に私立大学に進学した子もいます。おかげさまで本校に関心を持ってくれる高校生が増え、オープンキャンパスは大盛況です。

――それまで定員割れしていたので、まさに快挙ですね。

合格した生徒たちの多くは国公立大学の推薦選抜の中でも、商業高校や工業高校などの専門科の生徒のための枠で受かっています。長崎大学をはじめ、もともと商業高等学校がルーツになっている国公立大学には商業科の推薦枠があります。ただ、受かった子たちは、そうした専門高校推薦枠ではなく、普通高校推薦でも十分合格できる力が付いていたと思います。

――短期間でかなり力をつけたんですね。

実は、受験が終わった後も、合格した子たちは学び続けているんですよね。(入試の小論文の課題に出てくる)社会問題に関する知識は継続して吸収しないとわからなくなってしまうもの。受験勉強を通じて、社会問題について深く考えられている状態を「手放したくない」って思うんでしょうね。合格したあとも、新聞を読むのが習慣化した生徒がいたりして、社会に関心を持つということを、自分の強みとしてくれる子たちが増えれば、いいなと思っています。