「将来のため」と言うものの、子供の気持ちがすっぽり抜けている

では、なぜ親はそこまでムキになってしまうのか?

一番は子供に対する期待値が高いからだ。「これからは個性が大事」と言われてはいるが、いまだに「高学歴であることが人生を幸せにする」と思い込んでいる親は少なくない。中学受験をさせるのは、「良い学校」に入れるため。この場合の「良い学校」とは、偏差値の高い進学校を指すことが多い。

子供がそれに見合った学力を持っていて、かつその学校の校風を気に入っているのならいいだろう。だが、実際は偏差値が15以上もかけ離れているのに、無理に目指させようとする親がいる。すると、子供の気力や体力を無視して、大量学習をさせてしまうことになる。そして、できない子供を責め、追い込むのだ。

親の暴走は、そのまた親からのプレッシャーから来ることもある。例えば、代々医者の家庭の場合、「医学部に入れるのは当然のこと。医学部を目指すためには、中学受験ではこのレベルの学校に合格していなければいけない」と、祖父母が親にプレッシャーをかけていることもある。どちらも「わが子(孫)の将来のため」と思って言っているのかもしれないが、問題はそこに「子供の気持ち」がすっぽり抜けていることだ。

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責めるのではなく、どうしたら良くなるかを考えてほしい

子供に勉強を頑張ってもらいたいのなら、親は子供が気持ちよく勉強ができるように考えるべきだ。

なかなか勉強が始められないのはどうしてなのだろうか?

成績がなかなか上がらない原因は何なのだろうか?

勉強のやり方に問題があるのだろうか?

できないことを責めるのではなく、どうしたら良くなるかを考えてみてほしい。例えば、朝に計算ドリルをやらせたいと思っているのなら、夜は遅くまで勉強をさせず、早めに寝かす。朝が弱い子なら、前の晩に机にドリルを開いた状態で置いておくと、手を動かしやすくなる。そして、ちゃんとやったら、しっかり褒めてあげること。そうやって、まずはすぐに実行できそうなことから始め、きちんとできたらその努力を認めてあげてほしい。