旧態依然の銀行業界が変わり始めている
大手行の一部ではフィンテック企業や非金融分野の企業との連携を強化してBaaS事業の成長加速を急ぐケースが出始めた。これまで自社ブランドで銀行サービスを一手に提供していた銀行にとって、それはかなり覚悟のいる決断だ。相対的に経営体力が劣る銀行の中には、BaaSを提供するIT先端企業と提携して自ら姿を変えようとするところも出てくるだろう。
ただし、わが国の銀行業界全体で考えると、自己変革を積極的に進めようとする銀行が多いとは言いづらい。依然として、過去の経営風土を引きずり、信頼できるシステム構築がままならないケースもある。経営陣がBaaSをはじめデジタル技術を用いた新しいサービス創出に本気で取り組むことができるか否かによって、中長期に見た国内各行の事業運営体制にはかなり大きな影響があるだろう。