なぜ台湾にできることが日本ではできないのか

筆者は2020年4月に「台湾のコロナ対策が爆速である根本理由『閣僚に素人がいない』」という記事をプレジデントオンラインで書いた。台湾では閣僚だけではなく、官僚も研究者も経営者も皆がそれぞれプロとしての仕事をし、一丸となって国家の景気を支え、発展成長を続けているのである。経済力は国力であり国防力なのだ。経済力強化こそ、国際社会の中で立場の弱い台湾がさまざまな脅威や危機から自身を守り、生き残っていく唯一の方法であることを知っているのである。

台湾がまだ戒厳令下だった1986年、発展途上中の台湾に留学した筆者は「なぜ日本にできることが台湾ではできないのか」と思うことが多かった。しかし、近年では、半導体などの経済政策でもワクチン開発でも、そしてコロナ対応でも「なぜ台湾にできることが日本ではできないのか」と感じることが増えてしまった。

同じ島国、同じ自由民主主義国家、同じ法治国家、歴史的にも関係の深い台湾。お互いの長所も短所も、善しあしも共有し、学び合い、成長し、助け合えるより良い関係を、日本と台湾の間で作り上げていくことを願うばかりだ。

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