コロナ禍やGIGAスクールが追い風に

そもそも、多くの学校は、卒業アルバムに使用する写真を、撮りためたさまざまな行事写真から選ぶ。撮影がデジタルカメラになっても、相変わらず写真の販売は、プリントアウトしたものを学校の廊下に張り出して、学校参観などのときに保護者が写真を選んで申込書に現金を添えて注文するスタイルが続いていた。「焼いてこそ写真」という写真館のこだわりや、「個人情報の流出が心配」「新システム導入に乗り換えるのは大変」と考える学校長が、写真販売のデジタル化にブレーキをかけてきたのである。

しかし、コロナ禍と学校のICT化により新しい風が吹きはじめた。保護者の学校への出入りが制限され、授業参観や保護者会、面談なども縮小されたことで、これまでのようなアナログな写真発注方法は難しくなる一方、学校に足を運ぶことが減り「子どもたちの学校行事の写真が欲しい」という保護者のニーズも以前より増えている。また、2021年度にはGIGAスクール構想により、ほとんどの小中学校で1人1台のタブレットやパソコンが行き渡り、学校のインターネット環境が一気に整備されたことも追い風になっている。

写真館の側も、オンライン販売のシステムを活用することで、プリントや申し込みの集計、集金などの手間が省ける。また、これまでは張り出しスペースの関係で販売する写真の枚数に限りがあったのが、オンライン販売にすればたくさんの写真を販売対象にできる。AIの顔認証技術により、保護者の側は、わが子の写真だけ自動的に集めて選べるので、「オンライン販売にすると、平均購入枚数は2割程度増えると言われています」(山中さん)という。

街の小規模な写真館は、デジタルカメラの普及で逆風を受けている。山中さんは、「私たちはあくまで黒子です。地域の学校との信頼関係を持つ地元の写真館さんにとっては、学校の先生方の働き方改革につながる私たちのシステムは付加価値になる。卒業アルバムに関わる業界全体の課題解決になれば」と語っている。

(文=太田 美由紀)
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