治療をしてもなかなか良くならず、私のクリニックにいらっしゃいました。お話を伺うと、木久扇師匠の場合は、腰に出る痛みの原因が膝にありました。仕事で正座することがありましたから、まさしく生活習慣病でした。
このように腰痛患者さんの痛みの真犯人が、腰とは別の部位にあることもあります。転んで骨折した足首をかばうような歩き方を続け、腰痛を引き起こす人もいます。首の捻挫でバランス感覚を失ったため、肩から腰に痛みが出ている人もいます。
ちなみに、木久扇師匠を救ったのは「IMS療法」で、筋肉の異常な緊張が原因で起こる痛みに有効なものです。カナダ人医師が西洋医学のリハビリテーションと東洋医学の鍼治療をもとに開発した治療法で、疼痛を引き起こす「トリガーポイント」を探し、その筋肉が凝り固まった部分に鍼を刺して集中的にほぐします。
このようにしぶとい慢性腰痛であっても、真の原因にたどり着ければ根治は可能です。患者さんは驚きますが、腰痛の原因は必ずしも腰に存在するわけではなく、腰を手術しても、レントゲンを撮っても痛みの原因は分からないのです。
簡単にできる腰痛を和らげるストレッチ
腰痛を和らげるには、患者さん自身にもできることがあります。それはストレッチです。
60歳過ぎてからはなかなか生活習慣、食習慣を変えることは難しいですが、希望はあります。人それぞれ体力や心身の状態は違えども、腰痛を和らげることに“時すでに遅し”はありません。ぜひ以下の腰痛改善・予防ストレッチをお試しください。
【北原式 慢性の腰痛の改善、予防のための3つのストレッチ】