【忙しい思考】1日5分でウォーミングアップ
大量のモノを断捨離するなら、ある程度まとまった時間がないとできない、と思い込んでいませんか?
たとえば、長年手つかずになっていた押し入れの中。休みの日に時間をとってドカンと断捨離したいけれど、いざ休みになったら、こまごまとした用事に追われ、やはり「時間がない」。
本当に「時間がない」のでしょうか。
好きなことであるなら、時間があろうとなかろうとしているはずです。時間がなくてもネットをだらだら見てはいませんか?
時間は、私たちの意識の中に存在します。時間があるのにない。ないのにある――。こうした「時間のまやかし」に気づくのも、断捨離をして初めてわかることです。やはり行動が先なのです。
「断捨離っておもしろい」「断捨離って愉しい」とわかれば、さらに断捨離したくなります。おもしろいこと、愉しいことをしているとき、「時間がない」という発想にはなりません。
また、休みの日にドカンと大量のモノを断捨離するには、日々チマチマと断捨離しておくことが肝心。「チマチマ」は、冬場の車の暖機運転にたとえるとわかりやすいでしょう。
車のエンジンを冷やしたら、あたたまるまでに時間がかかります。冷えきってしまったら、休みの日にエンジンをかけようと思ってもすぐにはかかりません。
そこで暖機運転していれば、いざ発進しようとするときスムーズに車を動かせます。
同じように、日頃からチマチマと断捨離していれば、いざ時間がとれたとき、断捨離のエンジンが起動しているためドカンとできるのです。
また、エンジンが起動していると、モノがなだれ込んでくるのを防ぐこともできます。
おのずと「ため込み」も減るため、日頃から心地よい空間を得やすくなるメリットがあります。
そこで、まずは5分、断捨離してみましょう。1日5分だったらとれるでしょう?
「たった5分でできるわけない」と思ってしまったら、望んでいるゴールに一歩も近づくことはできません。
その5分で「これだけ断捨離できた」と思えたら、初めて「できた」という達成感を味わえます。それが、次なる断捨離へのエンジンとなっていくのです。
【完璧思考】最初からうまくできる人はいない
前項の「時間がないからできない」という思い込みの中には、完璧主義の性格も含まれています。
やるからには「ちゃんと」やりたい、せっかくやってもリバウンドしてしまうなら意味がない。
こうして自分で勝手にハードルを上げて、自分の足を引っ張っているのです。
断捨離に「ちゃんと」もなにもありません。いらないモノを捨てるだけ。「もし散らかったら……」などと考える必要はありません。生活していたら、散らかるのはあたりまえ。断捨離はそのつど繰り返しするものです。
「やましたさんだからできるんでしょう?」はい、こういう言葉もいただきます。「それにひきかえ、私は……」と。
いえいえ、ちゃんとできないのはあたりまえです。お稽古していないのだから。
断捨離は日々コツコツ、チマチマと続けていくお稽古です。私も日々チマチマとしています。何もお稽古していないうちに、最初からうまくできる人などいません。そもそも練習もしないうちに「ちゃんとできない」と思うことじたいおこがましいと思いませんか。