【決定回避思考】目の前のものから着手しよう

家じゅうどこもかしこもモノでいっぱい。「どこから手をつけたらいいかわからない」と途方に暮れている人も多いことでしょう。

では、どこから手をつけたらいいのか? それは目の前からです。「どこから」などと考えなくていいのです。

「正解」を探したくなるのもムリはありません。

大好物のおいしそうなお寿司がこれでもかと並んでいたら、どこから食べるか迷うのと同じ。でもお寿司だったら、食べずに放置しておく人はいないですよね。目の前から食べようと思うのではないでしょうか。

そもそも私たちはゴチャゴチャした環境にいると、思考が働かなくなります。どこから手をつけたらいいかわからなくなる。反対に、ゴチャゴチャした環境にいなければ、スッキリした環境にいれば、どこから手をつけたらいいかわかるのです。

つまり環境がそうさせているのです。

また、私たちには「決定回避の法則」が働いています。

たとえば、100のうちから1つ選べと言われると悩んでしまう習性があります。選択肢がたくさんあると、そもそも「決定すること」を回避してしまう。

つまり、お店に100の商品が並んでいたら、買うつもりで行っても結局買わずに帰って来てしまうのです。でも3つの商品しか並んでいなかったら、その中から1つ「買う」という選択をします。

レストランでもそう。お店はメニューを増やさないとお客さんに来てもらえないと思い、必要以上にメニューを提供してしまいます。お客さんは選択肢が多すぎると選べないため、「とりあえず、今日のおすすめを……」となってしまうのです。

では、モノ、モノ、モノのなかで思考が働かなくなってしまったとき、どうしたらいいか。

まず、「半分に減らすこと」を意識しましょう。何かを選ぶよりも、減らす、減らす、減らす。こうしていくと優先順位をつけられます。

「じゃあここから」とおのずと選ぶことができるようになってきます。

【抱え込み思考】家族にも手伝ってもらおう

「私がすべてやらなきゃいけない」という気負いから、断捨離の一歩を踏み出せずにいる人もいます。

家事も育児も自分の仕事。これも完璧主義に通じるのですが、やるからにはちゃんとやらなければいけない、人にまかせることはできない、という人です。

荷物でいっぱいの空間を目にして、「ああ先が見えない」とぼやく。しだいに「なんで私がやらなきゃいけないの」と不満がたまっていく。誰も助けてくれない、誰もわかってくれない、と孤独感も募ってきます。

なぜ、人にまかせることができないのでしょうか。

誰かに責められたわけでもないのに、人にまかせることへの後ろめたさがあるのです。

主婦はこうあるべき、母はこうあるべき、という思い込みに縛られています。育ってきた環境がそうさせたのかもしれません。

家事を外部委託することに抵抗を感じる人もまだまだいます。「本来自分がすべきことなのに、それを放棄してお金を使う」ことに対して後ろめたさを感じるのです。

同じく、お金を家族のためには使えても、自分のためには使えない人もいます。そういう人は節約志向(思考)に走りがち。節約はじつは手間のかかることです。水道の水を節約するために、お風呂の水を汲みとって洗濯する。少しでも安く買うためにお店をハシゴして買い物をする。

結果としてお金の節約にはなっても、時間の節約、エネルギーの節約にはなっていません。

それで消耗し、余計にお金のかかることをしてしまう。自分へのごほうびに高級スイーツを買ってストレス解消しようとしてしまうのです。

抱え込みの解決策は、遠慮なく人にまかせることです。

子どもの衣服を全部たたんでいる人は、子どもにまかせてみる。リビング、バス・トイレなど家族の空間は夫にまかせてみる。

キッチンで皿を洗う父と息子
写真=iStock.com/Yagi-Studio
※写真はイメージです

「どうせやってくれないだろう」と最初からあきらめてしまわず、勇気を出して家族に気持ちを伝えてみませんか。