音大は初年度納入金が180万円、年間学費が150万円

高校時代は真面目な吹奏楽部員だった。初めて彼氏ができたのは社会人1年目で、上京前の経験人数は2人だけ。覚悟を決めてソープ嬢になって、東京にきてからは毎日大学で授業か、ソープランドでセックスという日常となった。大学生になってからは恋人はつくっていない。悲しませてしまうし、邪魔になる。

写真=iStock.com/Parichart Thongmee
※写真はイメージです

月に60万円くらいを稼いでも、学費と生活費でなくなってしまう。お金が余らないことが不安になって、AV女優もすることにした。

AV業界は斜陽産業である。AV女優がお金になったのはずっと昔の話で、2016年にAV出演強要問題を起こして、業界は風前の灯である。DVDは売れなくなり、無料動画が膨大に出回るなかで有料配信にも限界がある。誰が搾取しているわけでもないのにもうからない。利益が少ないので当然、裸になるAV女優にも還元されない。

「AV女優は今年が3年目。出演料はそんな高くなくて1本10万円くらい。デビュー作だけ40万円もらいました。企画単体になるのかな。AV女優は月2本くらいしか撮影がないので、ソープランドは辞められないです。兼業しないと生活できない。本当にエッチばかりですけど、慣れるとできますよ」

母子家庭の平均所得は年間243万円、その音楽大学は初年度納入金が180万円で年間学費が150万円。いまは母子家庭は当然、平均的な一般家庭でもとても払えない金額を、大学生本人か親が負担しなければならない。

コロナ禍で吉原のお客さんが激減

どこの大学も女子学生はキャバ嬢、風俗嬢、パパ活女子だらけなことはすでに述べたが、その具体的な状況は、地方出身でひとり暮らししながら学生生活を送る亜弓さんを見ればわかるだろうか。大学生になってから彼女がしているのは江戸から続く吉原で男性客たちに本番サービスを売り、それからAV撮影現場で撮影された本番映像がバラ撒かれ、そこまでして、やっと大学に通えるという現実なのだ。

そんなセックス漬けの学生生活を送っていたが、コロナによってそれも怪しくなった。母親は一切の援助ができないので、稼げなくなったら大学は除籍になる。

「コロナで撮影がなくなって、吉原もお客さんが激減しちゃいました。特に高齢者と中国人のお客さんがこなくなって、月30万円~40万円くらいしか稼げなくなって。AV女優で仕事があるのは有名な女の子だけ。コロナの影響がでたのは2月だったので、学費の納入も近かった。もう、どうしようってなりました。もう直にお客さんを見つけるしかないじゃないですか。だからパパ活です」

お客が激減した吉原で待機している間にパパ活サイトに登録した。もっているお金をすべてかき集めて、3年前期の学費納入はなんとか切り抜けた。でも、まったくお金がなくなった。