歪曲した「トンムル報道」
その頂点が「トンムル(クソ水)」報道だ。表現からして不適切だ。普通、記事なら、「X水」などと表記する。ところが、遠慮なく「トンムル」と書く。記者生活三十年なのに、こういうのは初めて見た。このような表現を書きまくっている。試合後に脱力したトライアスロン選手たちの写真を載せる。その横に「トンムルの中のトライアスロン」と書いてある。誰が見てもトンムルを飲んで倒れた選手に見える。最初から「トンムルオリンピック」と書かれた記事もある。YouTubeの話ではない。マスコミがこの有り様なのだ。
そもそも話が無茶だ。競技場はお台場海浜公園である。普段、汚水が流れ込むのは事実だ。基準値を超える水質の問題が前からあった。しかし、試合当日は違う。水質と水温の両方の基準値に適合した。選手たちが飲んだのはトンムルではない。韓国側の記事が論拠として引用する外国の記事は、主にブルームバーグ通信とフォックススポーツ報道だった。競技場の水質を憂慮した報道なのは事実だ。しかし、それは開幕式より十日も前の十四日と十九日の記事だ。当日の話ではない。誤報だ。ここまでくると、歪曲したと言えるだろう。記事一つ一つが、本当に不愉快だ。つい、顔が熱くなってしまった……〉
韓国側の反日キャンペーンが日本に伝わった
このような「普通の」指摘をする記事もあるにはありますが、多勢に無勢、「お前は親日派か」と叩かれ、潰されるだけでした。これはほんの一部です。本当に、東京オリンピック期間中の「日本叩き」は、想像を絶するものでした。不幸中の幸いなのは、そんな韓国側のスタンスが、日本の地上波など大手メディアを介して、日本の皆さんにちゃんと届けられたことです。これは、とても肯定的なことだと、私は思っています。
オリンピックのことで、こんな話を肯定的だと書くのは、ある意味、オリンピック精神に違反することかもしれません。ただ、それでもその罪を背負ってでも、私は迷わず、こう書きます。「今回の東京オリンピックが、日本の皆さんにとって『日韓関係が目指すべきものは何か』を客観的に示してくれた」、と。それは、韓国側が頻繁に主張する「未来志向」という色あせた単語とは違い、長期的には、日韓関係において「真の」肯定的な役割を果たしてくれることでしょう。
いつもは韓国に対してかなり寛大なスタンスを示してきた日本の地上波番組ですら、今回はさすがに呆れたのか、それとも怒ったのか、韓国側の反日キャンペーンをありのままに報道してくれました。これらの報道は、東京オリンピックが始まる直前から、福島の食材に関連した韓国側の発言、戦時メッセージのような応援横断幕、開会式での「君が代」に対する問題提起、旭日旗問題、ビクトリーブーケ問題、言いがかりとしか思えない韓国マスコミの非難報道などなど、幅広く、そして客観的に日本中に広がりました。