「異常です。どうか、生き抜いてください」

10月。何度目かのカウンセリングで心理士は、鳥越さんにシェルターに入ることを勧めた。

「カウンセリングに通うことさえ理解のないご主人は、この先も変わりません。私もいろいろなパターンの患者さんを見てきましたが、鳥越さんほどつらい人に会ったことがありません。ご主人が鳥越さんを大事に思っているのはわかりますが、異常です。どうか、生き抜いてください」

鳥越さんは面食らい、混乱する頭を抱えて帰宅。夫はごろんと横になり、のんきにテレビを見て笑っている。

「シェルターの先が見えなくて怖いんです。この体で就労を受け入れてくれるところがあるのか。診てくれる病院があるのか。まず、それがわからない限り、勢いだけで飛び出せません。私だけ逃げたら、夫は娘を傷付けるかもしれない。私は帰れる実家がなかったので、娘たちには『お帰り』と迎えてやれる実家を残したい。母と同じまねはできません……」

卵巣・子宮摘出手術後から、体調が安定しない鳥越さん。幸いコロナ禍で、義母に会わなくて済むことが何よりの救いだ。

「(今後)両親や義母のことが終わって、その頃になっても夫が今のままなら、シェルターや離婚も考えると思います」

鳥越さんを待ち受けるのは、さらなる支配か、悲願の解放か。残りの半生をどう生きていくことが自分の幸せにつながるのか。どちらにせよ、選び取るのは鳥越さん自身だ。

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