「結婚できるか」を悩むなら、家から出した方がいい

今のご家庭は、お父さんが家で食事をすることが少ないこともあり、子ども中心の食事になりがちです。それならなおさら、家から出さなくてはなりません。なぜなら母親が自分のためにつくってくれる食事が、一番いいに決まっているからです。

柳沢幸雄『男の子の「自己肯定感」を高める育て方』(実務教育出版)

「息子が結婚できるかどうか」を悩んでいる親御さんは非常に多いのですが、家にいる息子のために尽くしている間は、難しいかもしれません。脱ぎ捨てたパンツも、いつの間にかキレイに洗濯されて“自然に”タンスに入っているし、トイレットペーパーも“自然に”補充されている(笑)。誰かがそれをしている、ということに思い至ることはありません。

しかし、1人暮らしでパンツを脱ぎ捨てて出かけたら、帰るとそのままの形で部屋にぽつんと残っている。イヤですよね。冬に家に帰れば、暗くて寒い。寒さが身にしみるのです。そんなとき、シチューをつくって待っていてくれる彼女がいたら、「このまま一緒にいようか」となります。結婚が早くなるのです。

かつては、15歳で独り立ちしていた

実家に住んでいたら、寒い冬でも暖かい家で母親が自分の好物を料理して待っていてくれます。「彼女のシチューより、やっぱりお袋のシチューだよ」となる。当たり前です。子どもの頃から食べているのですから。そうすると、母親は息子が50歳になっても、パンツを洗ってシチューをつくることになるのです。

童謡の「赤とんぼ」に歌われているように、15でねえやは嫁に行きましたし、最初の東京オリンピックの頃、集団就職列車に乗っていたのは中学を卒業した15歳の少年少女でした。数十年前までは、中学を卒業すると独り立ちをしていたのです。それが今は18歳。決して早いということはありません。

お子さんには、「18歳になったら家を出なきゃいけない」という話を、早めにしておきましょう。17歳になって「来年は家を出てね」といきなり言われるより、子どもにとってもずっといいはずです。心の準備のための時間と適度な緊張感を、子どもに持たせてあげてください。

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