バーコードのあるリンゴとないリンゴに戸惑いも

実際にレジゴーを使って買い物をしてみた。アプリの「スキャン」ボタンをタップするとカメラが起動し、商品バーコードを読み込ませれば登録が完了する。スキャンの仕方自体は一般的なセルフレジと変わらない。ボタンなどの画面表示も大きく分かりやすいので、セルフレジを使ったことのある人なら問題なく使うことができそうだ。

撮影=プレジデントオンライン編集部
買い物をしながら、商品バーコードをスキャンしていく

ただし、一部の野菜や果物、惣菜類などは商品にバーコードが貼られていないため、アプリ内の商品一覧から商品名を選んで登録する必要がある。なかには同じ売り場に価格の異なる2種類のリンゴが並んでいて、一方は商品にバーコードシールが貼られていて、もう1方の商品バーコードがないためアプリ内の一覧から選んで登録するといったケースもあった。このあたりは慣れないうちは少々戸惑うかもしれない。

バーコードのない商品は、アプリ内から該当するものを選んで登録する

すべての買い物が完了したら、精算機に表示されているQRコードを読み込むことで、アプリ内の買い物データが精算機に送信される。その後、精算機のパネルで決済方法などを選択して支払いを行う。最後に、アプリに表示される会計完了を示すQRコードを出口ゲートにかざして終了だ。

まとめて商品登録を行うセルフレジの場合、購入点数が多いと商品登録作業を負担に感じることがある。レジゴーもその負担が付きまとうと思われたが、カゴに入れるついでにスキャンできるので面倒だという感覚が意外に薄く、精算時も並ばずに会計できる可能性が高いため、これまでの買い物で感じていたストレスがだいぶ軽減されると感じた。

「手間」を実店舗ならではの体験として付加価値化

レジゴーのユニークな点は、単に効率化を目的としているのではなく、顧客体験価値の向上を重視したサービスいう位置づけで開発されている点だろう。バーコードのスキャンという、場合によっては「手間」とも受け取られかねない作業を「実店舗ならではの買い物体験」として付加価値化したことで、ポジティブなものへと変換している。

たとえば子連れ客にとっては、買い物をしながら体験できる「ちょっとしたイベント」のような存在になっているようだ。店舗でレジゴーを使って買い物をしていた利用客に話を聞くと、「子どもが喜んでスキャンをして、買い物のときにぐずらなくなった」ことをメリットとして挙げていた。

また、大瀧氏によると、「夫婦で来店したシニアのお客さまが、妻が売り場から商品を選び、夫がレジゴーで登録するといった感じで、楽しみながら利用している姿を見かけます」とのこと。レジゴーを利用することが生活の刺激や家族とのコミュニケーションの一環となっている様子がうかがえる。