そもそも娘さんはなぜホステスになりたいと思っているのでしょう? お金が欲しいからというのなら、まずその動機を探らなくては。もしかしたら男性に貢いでいるのかもしれませんよ。自分の娘がどんな悩みを抱えているのかも知らず、頭ごなしに反対をしても説得力に欠けてしまいます。

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若い女性の2割はキャバクラ嬢志望?

私がこの世界に入ったのは17歳のときでした。親には心配をかけましたが、母はそれならそれでと店に菓子折りを持って挨拶に来てくれました。「絶対に頑張り抜く!」と私も心に誓ったことを覚えています。大学教授をしていた父は私の大学進学を望んでいましたが、やはり最後には納得してくれました。打ち明けることができたのは、自分は親に信頼されているという自負があったからです。

そこで改めてお父様方に伺いたいのですが、あなたは家族を愛し、妻や子供ときちんと向き合ってきたといえますか?

胸を張ってイエスとお答えになるのであれば心配はいりません。親から充分な愛情を注がれ、まっすぐに育ったお嬢さんなら、多少道から逸れる時期があっても軌道修正をする力を育んでいます。一方、自分勝手で横暴な父親のいる環境で育ったお嬢さんは、満たされない不安定な心を抱えたまま自暴自棄で自虐的な生き方を選んでしまいがちです。

あなたが前者の場合なら、娘さんを信じ、よき理解者となって少しの間見守ることをお勧めします。勤める店が危険でないかどうかを見極めてあげるくらいでいいでしょう。けれど後者の場合には、まずはきちんと娘さんと向き合い、親子の絆を固めることが先決だと思います。

(丸山あかね=構成 二石トモキ=撮影)