ブランド品のロゴの形を変えてページに記載していた

しかしながら、このサイトはこれまで見てきたもののなかでも、巧みな作りになっていました。大手の百貨店をかたるケースの場合、その企業(百貨店)のロゴを使うものですが、三越のロゴがありません。しかも、銀座三越とは直接に書かれておらず、Ginza-Mitsukoshiの表記で、サイトのアドレスも、「GINZAMITSUKOSHIMA**.C**」になっており、銀座三越関連のサイトであると思わせるように装っています。

もしかすると、三越側からクレームを申し立てられても、銀座三越の文字やロゴは使っていないと「言い逃れ」をするつもりなのかもしれません。一方で、販売している商品のロンシャンのロゴは形を変えて使っています。

偽サイトの最終代金引換画面(画像キャプチャ=多田文明)
偽サイトの注文画面(画像キャプチャ=多田文明)

通常、こうした偽サイトには住所が載っていません。もし、あっても番地までだったり、公園などのまったく別な場所だったりと、ネットで調べれば明らかにおかしい住所で、すぐに「怪しい」と気づけます。

ところが、この会社概要には、しっかりと住所が記載されていました。ビル名はないものの「7F」との表示までされています。敵もさるもので、銀座三越を名乗るだけあって、場所も銀座一丁目です。この会社の住所を見て、銀座三越関係のサイトと思ってしまう人もいるかもしれません。

さて、この住所にこの通販業者は存在するのでしょうか?

銀座一丁目の住所にたどり着いた。そこにあったのは…

確かめるために、現地に向かいました。すぐにそのビルは見つかりました。しかしここには、スポーツやゲーム関連を手掛ける有名企業の名が書かれています。

玄関のところにいる案内係の男性に、住所を尋ねると、「確かにこの住所であっています」とのこと。念のため、「7Fに『OUTLE** LI**SH**』という会社はありますか?」と尋ねてみると、首を横に振ります。どうやら、このビルにはこの企業しか入っておらず、そうした会社は存在していないそとのことでした。

「隣も同じ住所になるので、そちらかもしれません」と言われて行ってみましたが、2階建てですので違います。目の前に交番があったので、尋ねてみても、やはり、このビルしか考えられないとのこと。やはり、虚偽の住所でした。とはいえ、一見しただけではわからない住所にしています。