その後、突然倒れ、失語症になってしまったのだ。この病気はストレスや心的外傷などの心因性によって起こるもので、週刊誌報道がそのトリガーになったのは間違いない。

倒れる前に、美智子皇后はこういう文書を出していた。

「批判の許されない社会であってはなりませんが,事実に基づかない批判が,繰り返し許される社会であって欲しくはありません」

文書公表と美智子皇后が病に倒れたのを機に、世間の批判の矛先は週刊誌に向き、多くの週刊誌が謝罪文を掲載するという事態に発展したのである。

日本人は過去に学ばない民族だが、週刊誌はなおさらである。

“悪玉イメージ”が結婚反対の空気を生み出した

小室圭の母親と元婚約者との金銭トラブルが“天下の大罪”であるかのような論調を垂れ流し、そこから小室家のプライバシーまで暴き立てていったのである。

小室圭の人格を否定するような報道も相次ぎ、羨ましがられるほど仲のよかった父親との会話も少なくなり、支えてほしい彼はニューヨークにいるのでは、どれほど心細かったことだろう。

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頼りになるのは妹の佳子さんだけという“孤立無援の闘い”が、知らず知らずのうちに彼女の心をむしばんでいったのであろう。

小室圭の母親と元婚約者との間の私的なトラブルを、あたかも小室圭の人格的な問題であるかのようなイメージづくりをして、皇族と結婚するのにふさわしくない人間ではないかと報じたのは、大新聞も同じである。

メディアによって作り上げられた小室母子の“悪玉イメージ”は、多くの国民を洗脳し、圧倒的な結婚反対の空気を生み出した。

女性自身(10月12日号)がウェブ上で実施したアンケートでは約7割が結婚に反対だった(20代では過半数が賛成だったというが)。

実は、宮内庁は早い段階から週刊誌報道に警告を発していたのだ。

この四面楚歌によく4年近くも耐えられたものだ

2018年5月25日に「眞子内親王殿下に関する最近の週刊誌報道について」という一文をHPに掲載している。

そこで「一部の週刊誌は,『侍従職関係者』,『宮内庁幹部』,『宮内庁関係者』等のコメントとして,皇后さまが様々な発言をなさっているかのように記していますが,先にも述べたとおり,両陛下は,当初より,細心の注意を払って固く沈黙を守り続けておられ,また,宮内庁職員はもとより,ご親族,ご友人,ご進講者等で,両陛下にこの問題について話題にするような人もこれまで皆無であったと伺っています」と、匿名の人物からの伝聞推定で、美智子皇后(当時)や秋篠宮家のありもしない内情を報じていることに注意を促していたのである。

これは、皇后ご自身も体験した週刊誌を含めたメディアの“暴走”に危うさを感じたからであろう。