地方のローカル線のほとんどで、平日と休日のダイヤは共通である。しかし、その中で朝と夕方に「土曜・休日運休」という列車があったら、それは通学専用列車で、朝の到着駅付近に高校や大学があると推測できる。この列車は平日に乗っても混雑していそうだから避けようと思う。

特定の日に特急が臨時停車していたら、おそらく祭など大きなイベントがあるはずだ。日付と駅名をネットで検索すれば答え合わせができる。臨時列車が多い日も怪しい。10月ごろの時期だと、一週間程度連続して臨時列車や臨時停車があったら、沿線に紅葉の名所がある。

沿線の観光情報を推理するディープな楽しみ方も

JTB時刻表10月号の188ページ。11月7日から30日まで、特急はまかぜ1号は加古川駅に臨時停車。特急スーパーはくと3号は相生に臨時停車。これもあやしい。同じ期間で離れた駅の臨時停車。何が起きるのだろう。時刻表をぼんやり眺めていると、そんな不思議な情報がいくつかみつかる。確かめに行きたくなる。

写真提供=杉山淳一
JTB時刻表10月号の188ページ。特急の臨時停車について記載されている

東海道本線のページに「特急あたみ」という臨時列車がある。11月6日と7日、青梅発8時41分、熱海着11時17分。武蔵野線と貨物線を走る珍しいルートだ。11月7日に熱海海上花火大会があるから設定された列車だろう。

定期列車では、東京発19時ちょうどの安房鴨川行き「特急わかしお17号」と、東京発21時ちょうどの「特急わかしお21号」に注目する。勝浦まで特急列車で運転し、勝浦―安房鴨川間は普通列車扱いになる。もちろんこの区間の特急券は不要。地元の人々は特急車両のおトクな普通列車として知られているかも。

これらの列車は乗り換え検索サイトにも登録されているだろう。しかし運転日と運転区間を知らなければ表示できない。それを知っていれば乗り換え検索で調べる必要も無いわけで、月刊時刻表をぼんやり眺めていたからこそわかる発見だ。