仕事と家庭のほかに個人の時間をもつ

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残業

グラフでは紹介していないが、「相手のある約束がなくても決めた時間に退社する」人の割合が、年収1500万円以上が500万円台の1.7倍というのにも納得できる。彼らは仕事の主導権は会社ではなく自分にあると考える。大事なのは仕事をたくさんこなし会社に認められることではなく、自分の人生を生きること。効率的な時間の使い方というのは、夢を実現するためにこそ必要なのである。

1週間の時間の使い方もみておこう。「メリハリのある1週間の使い方をするために、曜日ごとの使い方を決めている」人は、年収500万円台が20.2%に対し1500万円以上には31.4%もいる。予定を立てる際は、1週間は1日の相似形になっていると考え、フレッシュな月曜の朝にその週にやるべきことを書き出し、火曜は企画、水曜は外回り、木曜は打ち合わせ、金曜は事務処理といった具合に、曜日ごとに特徴をもたせておくといいだろう。習慣化しておくことで、火曜になれば自然と企画を考えるモードに頭が切り替わるというように、仕事がスムーズにいきやすくなる。

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一週間のメリハリ

予定は隙間なしに詰め込まず、必ず余白(バッファー)を残しておくことも重要だ。そうしないと緊急な仕事が発生したときに対応ができず、予定そのものが破綻してしまいかねないからである。「1週間のうちで集中して机に向かう日や、アポをまとめ人に会う日、何も予定を入れない余白の日を設けている」で、いずれも年収1500万円以上が高い割合を示している。

休日の使い方で着目したいのは、「個人」の時間をどのくらいもつことができているかだ。よく仕事と家庭のバランスがいわれるが、それに個人の時間をプラスしたバランスが、これからのビジネスマンには必要だ。会社が定年まで面倒をみてくれると思っている人は、もはやいないだろう。私の場合、会社の仕事とも家庭とも違う個人の時間がなければ、「週末起業」という夢を叶えることは難しかった。個人の時間を意図して設けることはそのまま、人生の目的を考え、自分と向き合うだけでなく、自身を棚卸しする時間にもつながる。

※すべて雑誌掲載当時

gooリサーチとの共同調査により、時間の使い方に関するアンケートを実施。個人年収1500万円以上306人、500万円台311人から有効回答を得た。調査期間は2009年11月20日から23日。
(構成=山口雅之)