もうひとつ「集中するための工夫やコツをもっている」にも注目したい。作業効率が上がる時間帯とはいえ、面倒な仕事だとなかなか手をつける気にならず後回しにしてしまったり、気が散って目の前のことに集中できなかったりということは起こるものだ。そういうとき自分なりのエンジンのかけ方を知っていると、貴重な時間を無駄にせずすむ。

高い成果を出せる人は集中力があるというより、集中する術を知っている人だ。それは年収1500万円以上の4人に1人が、集中するためのコツがあるという結果に如実に表れている。私の場合は、これから行う作業に関係ないものを机の周囲から遠ざける、パソコンとインターネットの接続を切る、あるいは紙とペンだけもって喫茶店に行くなど、嫌でも集中せざるをえない環境に自分を追い込むようにしている。

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小さなルール

日々発生する決まり切った作業は、端から順に仕組み化してしまうことだ。交通費の精算やメールの返信、ブログの更新などは、空いた時間にやろうなどと思っているとなかなか手がつかない。逆に、いったんやり始めると、ほかにやるべきことがあるのにいつまでもダラダラと続けてしまうということになりがちだ。

これを防ぐには、作業時間を決めて予定に組み込んでおき、その時間になったら機械的に処理してしまえばいい。たとえば私はいま、毎日夕方の5時から6時をメールマガジンの執筆にあて、その時間は原則として、ほかの予定は入れず電話にも出ない。

この1時間で書き上げ翌朝の配信予約をするという仕組みを確立したことが、これまで10年間も休まず発行し続けることができた秘訣だと思っている。もし仕組みをつくらず、1日のうちのどこかで書けばいいと考えていたら、ここまで長続きはしなかっただろう。

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ルーティン化

「ルーティン作業を効率よく終わらせる仕組みがある」人は年収1500万円以上のほうが500万円台より10ポイントも多い。このことから、仕事ができる人はそうでない人より、ルーティン作業を卒なく効率的にこなしていることがよくわかる。ただし、いったん仕組み化したら、何が何でもそれを守らなければならないということではない。やり方や時間帯は定期的に見直し、よりいい仕組みが見つかったり、必要があれば改めればよい。実際、私もメルマガの執筆を少し前までは早朝に行っていた。夕方に変更したのは、子どもの勉強をみてやるために朝の時間帯を使う必要が生じたからだ。