自民党内の7派閥中6派閥が事実上の自主投票

自民党の総裁選が9月17日に告示され、行政・規制改革相の河野太郎氏(58)、前党政調会長の岸田文雄氏(64)、前総務相の高市早苗氏(60)、党幹事長代行の野田聖子氏(61)の4人が立候補を届け出た。

写真=時事通信フォト
自民党総裁選に向け、地方創生に関する座談会に臨む(左から)小泉進次郎環境相、河野太郎規制改革担当相、石破茂元幹事長=2021年9月19日、東京・永田町の衆院議員会館

今回の総裁選は、自民党内の7派閥中6派閥が事実上の自主投票となった。だが、派閥による縛りがなくなったというわけではないだろう。

永田町には「政界は嫉妬と欲望の海」「受けた恩は仇で返せ」といった言葉がある。ましてや事実上、菅義偉首相の後を継ぐ日本の首相を決める選挙である。みな必死の思いで総裁選の行方を探っている。

表向きは自主投票でも、裏では「締め付け」がある

告示前日の16日、河野氏を支持する議員の会合「河野太郎の総裁選必勝を期す会」が都内のホテルで開かれ、早々に支持を表明した環境相の小泉進次郎氏や出馬を取りやめて河野氏支持に回った元幹事長の石破茂氏ら57人の国会議員が集まった。そこで小泉氏はこう発言した。

「派閥の行動が『自主投票』と言われている。だが、水面下の動きを見れば全くそんなことはない。議員1人1人に強烈な働きかけがある。そんな声が若手の議員から私のところに届いている」

また石破氏は「変えなければならない自民党が存在している。古い自民党との戦いだ」と語った。「古い自民党」とは締め付けをかけてくるような古手の長老議員を指しているのだろう。