結婚したい男性のライバルは実は同じ未婚ではなく…

人口動態調査に基づき、1980年から2019年までの40年間の累計で「時間差一夫多妻」の規模を見てみましょう。婚姻数は約2890万組、離婚数は約855万組で、いわゆる40年間の特殊離婚率は30%です。「3組に1組は離婚する」というのはこうした実績に基づきます。離婚した夫婦のうち約613万組が再婚(夫婦いずれかが再婚含む)夫婦です。単純計算すると離婚者の72%が再婚していることになります。

再婚の内訳をみると、再婚同士が約221万組、再婚夫と初婚妻が約224万組、初婚夫と再婚妻は約169万組です。40年間を通じて、バツあり男と224万人の初婚女性が結婚したという計算になります。もちろん、再婚妻と結婚する初婚夫も169万人いるわけですから差し引き未婚女性をバツあり男にとられた未婚男性が54万4000人になります。年間にして1万3600人ずつです。

たいした数字ではないと思うかもしれませんが、すでに年間初婚女性数が38万人になっている中で、その割合は3.6%になります。出生性比で5%、時間差一夫多妻により3.6%、合計8.6%も影響値があれば未婚の「男余り」は不可避です。

そもそも再婚自体、同時に複数の妻を持つ重婚ではないので、法的にも道義的にも何ら問題はありません。しかし、バツあり男と初婚女性が次々と結婚すると、あぶれる未婚男性が割を食うことになります。再婚年齢の最盛期は35~39歳です。晩婚化が進めば進むほど、結婚したい30代の未婚男性にとっては、同年代のバツあり男が強力なライバルとして立ちはだかることになります。

「再婚夫×初婚妻」の組み合わせは大都市に集中している

さて、こうした状況は都道府県別に違いはあるのでしょうか。

図表2は、2019年の実績を基に、都道府県別に、再婚の組み合わせによる再婚率(対離婚数)の全国平均比をランキングにしたものです。一目瞭然ですが、「再婚夫×初婚妻」の組み合わせが群を抜いて多いのが東京です。しかも、「再婚夫×初婚妻」の組み合わせで全国平均を超えているのがたった8都府県に集中しており、東京・大阪・愛知・福岡・神奈川など大都市だけに見られる傾向でもあります。