骨の健康維持には「骨たたき」と日光浴
骨量のピークは20歳前後ですが、何歳になっても丈夫な骨を維持することはできます。そのためには、まず適度な刺激を与えることです。
実は骨も、骨代謝という新陳代謝を繰り返し、日々新しい骨に生まれ変わっています。仕組みの詳細は本で解説していますが、簡単に言うと、この骨が生まれ変わるタイミングで細胞から「もっと丈夫な骨を作れ」という指令が出ると、骨が強くなります。骨の主成分であるカルシウムが骨に沈着するのを促進するのです。
この「もっと丈夫に」という指令のスイッチを入れるのが、骨への刺激です。
刺激といっても激しい運動をする必要はなく、軽いウォーキングなどを地道に続けることが大事です。それも難しいという人のために、本では骨を自分でたたいて強くする「骨たたき」を推奨しています。
もう1つは、適度な日光浴です。
紫外線をまったく浴びないと、ビタミンDの生成が十分に行われません。もちろん食事でビタミンDを摂取することもできますが、日光浴で済むのであればそのほうが簡単です。
紫外線を浴びるというと抵抗がある人も多いと思いますが、長時間浴びる必要はありません。ビタミンDを合成するには、顔や、ひじから手までの部分を15分くらい日光に当てるだけで十分です。
新型コロナウイルスの蔓延によって、私たちは外出自粛を余儀なくされています。特に高齢者は外出するリスクも高いのですが、巣篭もり生活で骨が弱くなり、自宅で転倒して骨折、そのまま寝たきりになるというケースは十分に想定されます。あなた自身はもちろん、高齢の親が心配な方は、自宅でできる骨たたきなどの運動をぜひ勧めてみてください。