健康で長生きするためにはどうすればいいのか。『医者が考案した 骨粗しょう症を防ぐ 1分間骨たたき』(アスコム)を出した整形外科医の中村光伸さんは「転倒による骨折で要介護や寝たきりになる高齢者が多い。健康長寿には丈夫な骨が不可欠だ」という――。
診察する白衣を着た人
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自覚症状がほとんどない骨粗しょう症の重大リスク

規則正しい生活で若い頃からサイクリングや水泳が趣味、メタボ予防にダイエットにも余念がない。そんな一見健康的に見える人でも、ある恐ろしい病気のリスクが高まっている可能性があります。

しかも最近は、長引く外出自粛生活でさらにリスクが高まっているうえに、自覚症状がほとんどないのが怖いところ。特に次のことに当てはまる人は注意が必要なのですが、その怖い病気とはなんでしょうか。

・若い頃から繰り返しダイエットをしている
・サイクリングや水泳が趣味で、跳んだり走ったりする運動が少ない
・通勤や移動はもっぱら車
・デスクワーク中心で外出が少ない
・日焼け対策で紫外線を浴びないようにしている
・糖質制限している

その病気とは、骨がスカスカになってしまう骨粗しょう症です。

骨粗しょう症は、ちょっとした強度にも耐えられないほど骨がもろくなる病気です。骨粗しょう症は自覚症状がほとんどなく、自分の骨がどんどんもろくなっていることを外見から判断することはできません。

ほとんどの人が知らないうちに症状が進行し、転倒して骨折してはじめて気づくことがよくあります。一般的には高齢者や更年期以降の女性に多いとされていますが、若い年代や男性にとっても実は他人事ではありません。

例えば辻学園栄養専門学校の調査では、20代女性の6人に1人が50代並みの骨密度しかなく、WHOの定義する「骨量減少者」に該当しました。

骨粗しょう症は自覚症状がほとんどない病気で、自分の骨がどんどんもろくなっていることを外見から判断することはできません。あなたやご両親は大丈夫でしょうか?

「カルシウムだけでは不十分」スポーツ選手でも骨が弱くなりやすい

骨が弱くなる原因の1つは、骨への刺激が少なくなること。

このことがよくわかるのが、米ミズーリ大学のヒントン博士による調査です。20~50代の男性で、週に6時間以上ランニングする人と、自転車に乗る人とを比較したところ、骨粗しょう症予備軍とされる人の割合がランニングでは19%だったのに対して、自転車に乗る人では63%もいました。