一番のおすすめは「米国市場ほぼ全部」ETF

では、具体的な銘柄について見ていきましょう。米国株市場を反映する代表的なETF(上場投資信託)の銘柄は複数ありますが、私が自身の投資において選択し、今も変わらず支持しているのは、「VTI」(ヴァンガード・トータル・ストック・マーケット)です。「VTI」は米国市場に上場する銘柄の99%以上にあたる約4000銘柄で構成されたドル建てのETFです。成熟した大企業の株から、成長が期待される小型株まで含まれ、米国市場をほぼ網羅しています。

もちろん、巨大IT企業群のGAFAMも含まれますし、話題のテスラも含まれます。リターンは2010年からの10年間で約4倍になっています。

私は米国の個別株にも投資していたのでストレスに感じませんでしたが、配当課税のこともあり、円建ての投資を好むならば、「楽天・全米株式インデックス・ファンド」(楽天投信)という投資信託もおすすめです。

インデックス投資では、指数と投資信託(あるいはETF)の値動きが連動することが重要ですが、楽天・全米株式インデックス・ファンドは若干の乖離かいりがあるので、注視していきたいところです。つみたてNISAの対象となっていますので、運用益非課税で積み立てていくことができます。

成長性の高いセクターをまとめたETFも

海外ETFには、さまざまなセクターに特化したETFがあります。近年、とくにリターンが大きいのは、情報技術セクターETFの「VGT」です。アップルやマイクロソフトが筆頭銘柄で、アマゾンやグーグル、フェイスブックは含まれません。2010年からの10年で6.3倍のリターンです。

「VHT」はヘルスケアのセクターETFです。ヘルスケアは高齢化、総中流社会の恩恵を受ける守りのセクターとして注目されます。研究開発費が重く、それを回収する以上の利益を生む新薬が開発できるかどうかが鍵です。個別銘柄に投資するより、セクター全体に投資する方がリスクが分散されます。10年で4.4倍のリターンですから、かなりの高水準です。

守りのセクターとしては、生活必需品も同様です。P&Gなどの銘柄を含み、2015年頃までは最もリターンの高いセクターでした。「VDC」は10年で3倍のリターンです。

「VCR」は、一般消費財・サービスのセクターETFです。もともとはホームデポやスターバックスなどの、小売のイメージが強かったのですが、テスラ、アマゾンなどがフェーズを変えた印象です。10年で5倍となっており、S&P500を上回っています。