政策面からどう支えるか、より議論が必要だ

そうした最先端の情報通信や演算の技術が、わが国が強みを発揮している高純度の半導体部材や精密機械などの要素と結合すれば、新しい素材や機器の創出期待は高まる。成長期待が高まれば、生産要素の再配分も加速する。

つまり、新しい発想や最先端理論の社会実装を支える生産技術の実現のために、わが国政府はより積極的に民間への支援を行い、国際標準の最先端技術の確立を目指さなければならない。特に、経済成長に無視できない影響を与える情報通信分野において、旧電電ファミリーをはじめとする本邦企業のイノベーションを政策面からどう支えるか、より踏み込んだ議論が必要だ。

スパコンと量子技術は世界経済の最先端分野の一例だ。脱炭素(省エネ、再生可能エネルギー、二酸化炭素の回収、貯蔵、再利用、水素の製造コスト低減など)、半導体の微細化など最先端分野の取り組みは枚挙にいとまがない。

最先端分野での国際競争は熾烈化している。わが国は官民の総力を挙げて、現状維持ではなく、世界経済の最先端分野での研究開発と生産技術の強化に取り組まなければならない局面を迎えている。

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