産経社説も「実質的には自民の敗北」と指摘
7月6日付の産経新聞の社説(主張)も、朝日社説と同じように「実質的には自民の『敗北』」である」と指摘し、見出しにも「自民の『敗北』 為すべきことの徹底図れ」と掲げる。
自民党の敗因についても「直接の敗因は、政府の新型コロナウイルスへの対応と、開幕が間近に迫った東京五輪開催への忌避感だった」と指摘する。
そのスタンスが強硬な保守として知られる産経社説からも「自民の敗北」と批判されるのだから、菅首相は都議選の結果を深く反省し、秋の衆院選の糧にすべきである。
産経社説は後半で「自公両党は公約で五輪開催の是非には触れず、選挙戦では感染対策を徹底した上で開催すべきだと主張してきた」とも指摘し、こう訴える。
「この分かりにくさが、五輪への嫌悪感を助長したと反省すべきである。政府・与党が五輪の魅力を十分に発信することができていれば、結果は違ったはずだ」
「五輪反対」という論陣には、「五輪賛成」と主張するべき
都議選で自公が五輪開催の是非に言及しなかったのは、戦法や攻略というよりも立候補者らが五輪開催に不安を感じていたからだろう。中央の政治家と違い、五輪開催都市という現場を担う彼らはシビアで正直なのである。
産経社説は最後に「政府・与党が出直すために為すべきことは何か。ワクチン接種を進め、五輪・パラリンピックを成功させ、自身の立ち位置を再確認し、徹底することである」と主張している。
「立ち位置を再確認し、徹底する」というのは、主張としてはあいまいだ。都議選で自民候補らは「五輪を楽しみましょう」とすら言えなかった。「五輪反対」という論陣に対しては、「五輪賛成」と主張するのが筋だろう。そこを徹底せず、誤魔化すようであれば、次の選挙も敗北することになるはずだ。