室内のサンルームにあった植木はすべて枯れていた

1階は生ゴミの山。そして2階は、まるで時が止まっていたようだった。部屋のあちこちに両手のひらいっぱいくらいの大きなホコリがある。

笹井恵里子『潜入・ゴミ屋敷 孤立社会が生む新しい病』(中央公論新社)

「2階は10年くらい使っていなかったのではないか」と、石見さんは推察する。

室内のサンルームにあった植木はすべて枯れていた。

この家からは生きようとする意欲を感じることができなかった。2日間の整理清掃で家の中は片付いたが、これから高齢女性が一人でカップラーメンを食べる姿を想像すると、もの悲しい気持ちになった。しばらくすれば、またゴミ屋敷に戻ってしまうのではないだろうか。

配偶者のいる人であっても、子供がいなければ、このように配偶者の死であっという間に孤立してしまうことがある。もし元気に暮らしていると思っていた自分の親、祖父母、叔父や叔母などがこのような事態になっていたら、あなたならどうするだろうか。(続く。第17回は7月3日15時公開予定)

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