五輪を仕切る広告代理店業界のガリバー・電通の広告営業も消滅か

広告業界については業界トップの老舗の電通と新興勢力のサイバーエージェントを比べてみます。2020年7月に時価総額でサイバーエージェントが電通を一時的に逆転し、そのときに広告業界は震撼しんかんしたのですが、以後も両社は時価総額で抜きつ抜かれつで激しく争っています(図表参照)。

ただし両社の扱う広告のタイプは違っていて、電通がテレビ媒体や紙媒体の広告であるのに対し、サイバーエージェントはネット広告です。

2020年3月に電通が発表した「日本の広告費(2019年)」という調査では、2019年にはテレビ広告費は前年比2.7%減の約1兆8600億円に留まり、その結果、2014年以来6年連続の2桁成長で約2兆1000億円(前年比19.7%増)となったネット広告費にテレビ広告費は初めて追い抜かれました。

テレビ広告や新聞広告の先行きは厳しく、広告をめぐる環境はネット広告のサイバーエージェントが圧倒的に有利です。電通の2020年12月期の連結決算は最終損益が1595億円の赤字と過去最大でした。それもあって、電通は経営効率化のために東京都港区の本社ビル売却にも踏み切ることになったのです。

テレビ広告や新聞広告が減っていけば従来の広告営業の必要性も小さくなって、広告営業の人材もやはり転職が避けられません。

これから「消える仕事」の人は、今のうちに投資によってお金をやしておくべきで、銀行員もこの低金利時代に自分の銀行に預金していてもダメなのです。

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