「消える仕事」の人は今お金を殖やしておくべき

これからの時代、「消える仕事」「残る仕事」を18業種ずつ挙げたのが『週刊東洋経済』(2021年1月30日号)でした。

まず「消える仕事」は、銀行員、タクシー運転手、パイロット、アパレル店員、飲食店オーナー、コンビニオーナー、大学教授、弁護士、自動車セールス、保険外交員、新聞記者、広告営業、ディーラー・トレーダー、受付、機械オペレーター、警備員、通訳、添乗員です。

反対に「残る仕事」には、データサイエンティスト、精神科医・心療内科医、警察官、介護福祉士、美容師、ユーチューバー、お笑い芸人、フードデリバリー、ダンスインストラクター、eスポーツ、ペットショップ店員、オンラインサロン、1級建築士、リフォーム業者、パティシエ、棋士、経営コンサルタント、スタートアップ起業家が並んでいます。

これら36の仕事については業界最新事情と2030年の状況も掲載されていて、たとえば銀行員のそれぞれの一部を紹介すると、業界最新事情では「目下の焦点は収益環境の厳しい地方銀行だ。経営改革を後押しし競争力を向上させるために、合併特例法の施行、日本銀行による当座預金金利上乗せのほか、政府によるシステム統合費用への補助金等も俎上そじょうに載せられている」と記されています。

メガバンク社員は2025年までには大幅リストラを余儀なくされる

いっぽう、2030年の状況は「長期の超金融緩和で利ザヤが悪化、大幅リストラを迫られているのが銀行だ。駅前の支店はビルの2階にある空中店舗になり、窓口やATMはスマホのネット銀行に代替される。融資でも、取引先の膨大なデータをAIが瞬時に読み込んで信用調査をこなし、現在の主要業務は置き換えられるかもしれない」というものです。

しかし、2030年の状況で大幅リストラが迫られているというのはちょっとスピードが遅いような気がします。2025年ごろまでには大幅リストラを余儀なくされるのではないでしょうか。

新聞記者と広告営業については、新聞業界と広告代理店業界という観点から私も付言しておきます。

新聞業界では、日本新聞協会が毎年10月現在の総発行部数(日刊116紙)を年末に発表しているのですが、これによると2020年は約3509万部となって、前年と比べて約272万部も減少しました。

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しかも、この減少幅は7.2%と過去最大です。最も発行部数が多かったのは1997年の約5377万部。以後の23年間で約1868万部も減って、最盛期の3分の2以下の部数になってしまったのです。

1年前には、年間約200万部のペースで部数が減っていくと予想されていました。それが現実には約272万部減という予想をはるかに上回る速いペースになっています。もっとも、これにはコロナ禍も大きく響いているようですが。

目下の部数減少のスピードからいくと、新聞業界は消滅に向けてまっしぐらといっても過言ではありません。現在、新聞記者をしているなら、若い人ほど次の転職先を真剣に考えておく必要があるでしょう。