家父長制的な価値観が外に出ることで問題化する

家父長制とは、家長である男性が、家の秩序を守るために権力を独占するもの。家父長制においては、男性は「女性から何かしら奉仕を受ける権利がある」という不文律があります。それが現代社会にも根強く残っています。

その不文律が家の中でおさまっているならまだしも、外に出てきてしまうと、社会的通念として問題になってきます。なじみすぎて一瞬わからないこともありますが、今の社会にも、ふつうに家父長制的な秩序はあります。

たとえば、小学校のときに学級委員長は男子から選ぶけれど、副学級委員は女子から選ぶというもの。

会社ではお茶くみや、ロッカーや冷蔵庫の掃除は女性がすることが多い、外食したらサラダを取り分けるのは女性……など、そういう決まりが明確にあるわけではないけれど、ふわっと習慣化されていることがあります。

こうした家父長制の考えによって、女性をコントロールすることで男性は自分の中にある葛藤を消すことができます。絶対的に強い存在の母親に勝てないという満たされない部分を、弱い女性を支配することで満たされるわけですね。そこで強さを手に入れることができるのです。

「女性を支配することで葛藤を解消できる」、これが冒頭でお伝えした男性同士が共有する価値観なのです。女性を話題にしてウケを狙うのも、標的を定めていじめれば、男性同士の絆をより強めることができるからです。

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葛藤をコントロールできない男性が問題を起こす

こうした男性の葛藤というのは、本来完全に解消できるものではなく、葛藤を抱えながら自分らしく生きる、協調性を学ぶ、というのが健全なあり方です。実際、大半の男性が理性で葛藤をコントロールしていますが、コントロールの仕方がわからない一部の男性が、それを女性で解消しようとして、トラブルを起こしているのです。

葛藤をコントロールできない男性は、今までの成長過程に芽があることが多いですね。いちばんいやなケースは、父親が母親に対して支配的なパターン。そういう家庭で育った男性は女性に対して、同じようにしてもいいと思ってしまいます。

また学校教育にも問題があります。女性蔑視の行動をとったり、性的な話をしたりしても、先生がへらへら笑って注意もしない、お笑いの要素のように終わってしまうという環境だと、そこにいる男性たちは倫理観が成長しないまま大人になってしまうのです。