77年に外貨持ち出し規制が撤廃されたことで、国内外で共通して使えるカードが発行できるようになった。
「78年の日本ダイナースクラブを皮切りに、銀行系カードが次々と国内外(現三菱UFJニコス)は、信販系では銀行系カードと互角に戦えるブランド力を持ったカードでしたが、国際化では出遅れた。そこで、世界市場でシェアを伸ばしていたVISAと提携し、国内外共通カードを発行するとともに、銀行系カードではゴールドカードに付帯されていたものと同等の海外旅行傷害保険を、年会費1200円の一般カードにも付帯することで巻き返しと差別化を図ったのです」(同)
海外旅行損害保険は、会員獲得に向けたサービスの目玉だったのだ。それが他のカード会社にも広がったというわけだ。風間氏は「カード会社が損保会社と大口契約するため、個人が加入する場合よりは保険料が安くなる。とはいえ、一般カードの会費では赤字になります」と話す。
「当時は、分割払いをする会員が多く、金利収入が収益源だったからできたこと。だが、今では状況が変わり、年会費がカード会社の大きな収入源になっている。今後は今までのようなサービスは難しくなるかもしれません」(同)
カードの付帯保険も、高い会費を払えば手厚いサービス、それ以外はそれなり……になるのかもしれない。
※すべて雑誌掲載当時