「心の限界値」を10%ずつ広げていく

仕事や人生において、うまくいかない状態が続いたり、頑張っているのにその成果を感じられなかったりすると、心が折れ、へなへなと座り込みたくなるものです。

人には心が穏やかでいられる状態を保てる限界があり、許容量は人それぞれ違います。限界を超えると、心がいっぱいになってしまい、踏ん張れなくなります。誰もが、もっと強い心が欲しいと願うときがあると思います。

ここで紹介するのは、私が実践した、崩れそうになった心を立ち直らせ、心を強くする方法です。この方法は「心の限界値を広げる」というシンプルなやり方です。個人差はありますが1カ月ほどで効果が出てきます。

まず、自分の心の限界値を10~15%ほど、いつもより大きく広げた状態で日々の行動を始めます。すると少しずつ心の許容量が広がり、意識的に広げた10~15%増しの許容量が標準状態になるのです。以前なら苦しくなってしまうところが、普通の感じで受け入れることができるようになるということです。

心を10~15%増しの許容量にするためには、いつもならば苦しくなってしまう状態のときでも、笑顔を作って「まだ余力がある」というように自分に言い聞かせ、心が大きい人間のように振る舞うことです。

人間の「慣れる」という特技を利用する

たとえば、業務が忙しく疲れが溜まってくると、普通ならば不機嫌になってしまうところを、さわやかな笑顔と声で挨拶あいさつをしたり、ニコッと笑みを浮かべ、明るい声で前向きな話をしたり、といったイメージです。

もちろん、簡単にできれば苦労しません。まず、2日以上続けていると苦しくて仕方がない状態になってくるはずです。無理やり明るく振る舞っていると、普段の倍以上に心に疲労が溜まり打撃を受けるからです。

3日目を過ぎると、明るい心と表情を作るのがきつくなり、このままではもたないかもしれないという不安と弱い心が出てきます。顔は笑顔ですが、心はヒーヒー状態でいつ我慢ができなくなるかわからない状態となります。

しかし、人間には慣れるという特技があり、1カ月ほど頑張って続けていると、いつの間にかラクになっていくのです。

当初の10日間が頑張り時でしょう。心の中でヒーヒー言いながら、1週間続けても少しもラクにならず、その苦しさは10日目ぐらいまで加速していくからです。頑張って継続することを考え、耐えていると、2週間を過ぎるあたりから、苦しかった状態が少しずつ和らいできます。

そして、1カ月を過ぎるあたりには、普通にできるようになります(当然個人差がありますが)。筋トレによって身体ができてくるのと似ているような感じです。

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