差別や偏見の解消は、これからが正念場

ドイツは法律で同性婚が認められ、本来は同性愛者にとって住みやすい国のはずです。さらに、女性の社会進出を後押しするためクオータ制も整備されました。2016年1月から大手企業は監査役会の女性比率を30%以上にすることが女性クオータ法で義務付けられ、女性にとっても住みやすい国のはずです。

ところが残念なのは、一部の人の「感覚」が現状に追い付いていないことです。

サンドラ・ヘフェリン『なぜ外国人女性は前髪を作らないのか』(中央公論新社)

ただ、ドイツで長らく市民権を得てきた下ネタを含む「老紳士ジョーク」(ドイツ語:Altherrenwitz)は、TwitterなどのSNSで「#MissionAltherrenwitz」(「老紳士ジョークをなくそう」という意味)というハッシュタグがブームになるなど悪しき習慣をなくそうとする動きが見られます。

日本でも「森発言」だけではなく、さまざまな場面で女性差別がなくなっていないことが露見することがあります。しかし女性差別は日本だけではなく、世界共通の問題なので、根強く取り組んでいくしかないのかもしれません。

少なくともニッポンの東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は橋本会長を筆頭に男女平等への舵を切ったといえるでしょう。

日本が今後も少しずつ「男女平等」に近づいていくことを願うばかりです。

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