今回の男性の場合は明らかに使い方を間違えて健康に悪影響が及んだが、研究報告の著者たちは、シロシビンは心理療法と合わせて(適切な方法で)使うことで、一部の精神疾患の治療に有効な可能性があることが確認されていると指摘する。これまでに不安神経症やうつ病、薬物乱用や強迫性障害の治療にマジックマッシュルームを使用し、効果を検証する試験が複数行われている。

「ここで報告した症例は、シロシビンをはじめとする薬を、処方された以外の方法で使用することに伴う危険について、一般市民への教育が必要であることを示している」と研究チームは報告書で指摘した。

「ミナミシビレタケなど精神活性成分を含むキノコを静脈注射することで、同じキノコを口から摂取するのと同じように、知覚力や認知力にも影響を及ぼす持続的な精神活性効果が得られるかどうかは分かっていない」

当記事は「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)からの転載記事です。元記事はこちら
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