資格取得や大学院など自分磨きに利用

確かにコロナ下でテレワークなど柔軟な働き方が進んでいる。自民党の1億総活躍推進本部としては、さらに週休3日にすることで育児・介護などのワークライフバランスの充実を図る。また、政府は生産労働人口の減少の対応策として副業・兼業を推進しているが、副業による中小企業への人材供給、ひいては地方の企業や自治体で副業をする人を増やすことで地方創生を図ることも意図しているようだ。

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すでに週休3日を打ち出す企業も登場している。みずほフィナンシャルグループは昨年12月から銀行や証券、信託銀行など主要6社に勤める計4万5000人を対象に週休3日・4日制を導入することを発表した。ただし、1日の休みにつき給与を20%削減し、週休3日の社員は月給が8割、週休4日だと6割まで減ることになる。希望者による選択制で増えた休日を生かし、資格取得や大学院に通うなど自分磨きに利用することが期待されている。

1日の労働時間を10時間にし、給与維持の企業も

過去にも佐川急便、ユニクロ、ヤフーが週休3日制を導入している。佐川急便は2017年にドライバーの週休3日を導入した。同社の週休2日のドライバーの実働時間は1日8時間、5日勤務で週40時間であるが、週休3日の場合、1日8時間の法定労働時間の例外を認める「変形労働時間制」を使って1日の労働時間を10時間にして週40時間にするものだ。

ユニクロは転勤のない「地域正社員」を対象に、仕事と子育ての両立など働き方の多様性の観点から導入している。同社も変形労働時間を活用し、1日10時間、週4日勤務と佐川急便と同じ仕組みだ。

ヤフーは2017年4月から家族の育児・介護をしている社員を対象に導入。1日の労働時間は変わらないが、休みが1日増える分、2割程度給与が減額される。これはみずほFGと同じ仕組みだ。自民党で検討している仕組みもヤフー、みずほ方式に近いといえる。

確かに一定期間の週休3日制は、育児・介護の問題を抱えている人、ビジネススクールに通うなど学び直しをしたい人、副業を通じてキャリアの幅を広げたい人にとっては望ましいかもしれない。