週刊文春によれば、その日、地元の機械メーカーの創業記念で石破議員が講演して、その打ち上げのために集まったようである。

メンバーは山崎拓元副総裁、総務副会長の三原朝彦衆院議員、山崎の元秘書で福岡県議の岳康宏、地元の商社グループの社長などだったという。9人中4人が70歳以上だった。

文春にリークした人間の意図は

石破を応援する博多の会のような趣で、6時頃から始まって、8時には散会している。

石破本人は、文春の取材に対して、体温を計り、消毒もしたし、「抑制の利いた会でした」といっているが、当日居合わせた客は、体温計測も消毒もすすめられなかったと“告白”している。

国民に不要不急の外出を自粛せよと強いておいて、お前たちは9人も集まって一人4万円のフグ三昧か。この会の呼びかけ人である山崎拓が、頑なに「参加していない」といい張っているのも、「こんな時にまずいところを見られた」という意識があるからだろう。

日頃は歯切れがいい石破議員だが、今回については、つじつまが合わない回答に終始している。後から回答した中にこのような文言がある。

「企業における講演後、福岡泊だったので夕食を取らせて頂いた。少人数でのプライベートな食事で、『会食』との認識はない」

何人かが目的をもって一緒に飯を食うのを会食というのではないのか。

誰が週刊文春にリークしたのかは分からないが、菅政権の終わりが見え始めた昨今、石破の動きを牽制しようという意図があるようだ。

石破議員の脇の甘さが、こんなところでも出てしまった。菅の次を本気で狙うなら、ふんどしの紐を締め直したほうがいい。

会食をやめられない2つの理由

これ以外にも、政治資金集めの大パーティーを開いた政治家、酒を飲んで羽目を外した政治家など、枚挙に暇がない。

自覚がないといってしまえばそれまでだが、なぜ、永田町の人間たちは会食を止められないのだろう。

一つには、勘違いした選良意識がベースにあるように思う。自分たちは選挙で選ばれた人間だから、国民に命じて外出や会食を控えろといえるが、自分たちにはその規範は適用されない特権階級であると考える議員が多くいるのではないか。

二世や三世の世襲議員たちが多数を占めるようになってきて、その傾向はますます強くなってきているように思う。いわゆる頭でっかちで世間知らずの面々である。