国会議員が率先して範を垂れるべきだ
緊急事態宣言の発出前でも、「予防的な措置」として知事が事業者や施設に対して、営業時間の変更などを要請・命令できるようにし、応じなければ罰金を科すというものである。
感染症法では、保健所の検査を拒んだり、嘘の回答をしたりする、入院勧告に従わない場合は、懲役刑や罰金刑を科すというのだ。
「だが、いつどこで誰と会ったかはプライバシーに深くかかわる。刑罰で脅せば、市民との信頼関係のうえに成り立ってきた調査が変質し、かえって協力が得られなくなる事態を招きかねない」(同)
その反面、休業や時短に伴う減収分を行政が支援することは、国や自治体の努力義務にとどめるというのである。
新聞などの世論調査では、罰則も仕方ないという声が多いようだが、それは広がり続けるコロナ感染に対する恐怖心からで、冷静にこの政府案を検討すれば、この法案の持つ強権的なやり方に首を傾げ、反対する人のほうが多いはずである。
むしろ特措法に盛り込むべきは、コロナ感染が収まらない中で会食した国会議員の名前を公表し、議員歳費を召し上げる、それでもいうことを聞かない者は議員辞職を求めるようなものではないのか。
国民にこれ以上の自粛を求めるのなら、国会議員自らが率先して範を垂れるべきであるこというまでもない。そうでなくては、国民の不満はますます高まるばかりである。(文中敬称略)