洗濯機で洗う前の「プレウォッシュ」

では、マスクにはどのようなケアが必要なのでしょうか。

写真=プレジデントオンライン編集部
洗濯機で洗う前に、弱アルカリ性の洗濯用液体洗剤と水を混ぜて作った「プレウォッシュ液」をマスクに吹きかける

冬に入って新型コロナ第3波が本格的に到来したいま、家庭でも簡単にできるマスクと肌にやさしい、正しい洗濯法を実演してみたいと思います。

マスクをブラシで叩く茂木康之さん(写真=プレジデントオンライン編集部)

まず大切なポイントとなるのが、洗濯機で洗う前の前処理である「プレウォッシュ」。100円ショップなどで用意したスプレー容器に、弱アルカリ性の洗濯用液体洗剤と水を1対1ずつ入れて、軽く振って混ぜ合わせます。プレウォッシュ液はこれだけで完成です。プレウォッシュ液は1週間で使い切ってください。

次に、皮脂やファンデーションなどが付いた、汚れが目立つ部分にプレウォッシュ液をしっかり吹き付けます。そして、油汚れを浮かせるイメージで、洗濯ブラシで強めに叩きます。ブラシがなければ、歯ブラシでもかまいません。注意点は、ブラシで汚れをこすらないこと。こすると、汚れが落ちないだけではなく、生地を傷めてしまいます。この5分のプレウォッシュで、汚れとともに、口臭などの臭いも分解できます。

プレウォッシュしたマスクは、すぐに洗濯機には入れずに、10分ほど置いてください。その間に浮き上がった汚れを本洗いで根こそぎ落とすのです。

柔軟剤はNG……肌荒れを引き起こす原因になる

プレウォッシュでとくに注意していただきたいのが、ポリエステルなどの化繊マスクです。化繊マスクは強度もあり、カラーも色とりどり。洗濯も簡単なので、利用している人はたくさんいます。

とはいえ、化繊には油汚れが付着しやすいという難点があります。

鼻の頭の部分が汚れて黒くなったり、テカったりしているマスクを着用している人を見たことがあるのではないでしょうか。

あれは鼻の頭に浮き出る皮脂汚れ。皮脂や口紅などの油汚れは洗濯機に入れただけでは取れません。とくに鼻の皮脂は、日々同じ箇所に付着し、蓄積されてしまいます。毎日、プレウォッシュをして、重点的にケアしていくべきです。

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マスクを着けて話す茂木康之さん(手前)と茂木貴史さん

ただし、ボクらはあまり化繊マスクをおすすめしていません。化繊マスクをつけて、肌荒れの症状を訴える人がたくさんいるからです。なかには、化繊マスクを洗濯するさいに柔軟剤を使用する人もいるかもしれませんが、それは絶対にやめましょう。

繊維に残った柔軟剤の成分が、衣類をふんわりさせたり、香りづけ、消臭、抗菌などの効果をもたらすと言われています。しかし、そうした成分が、マスクに残ってしまうと、常に肌に触れていることになりますから、汗などと反応すると肌への刺激になる可能性があります。

仮に柔軟剤がすすぎ切れていなかったとしたら最悪です。そんな状態のマスクをつけることは、常に柔軟剤を顔に塗っているようなもの。肌の健康のためにも絶対にやめましょう。