「政府は重く受け止め、あらゆる手だてを」と読売社説
朝日社説は最後にこう主張する。
「『Go To事業』の扱いも検討事項の一つだ。第2波のさなかに強行した時は、多くの国民が戸惑った。社説は、状況に応じて見直せる仕組みとし、政治が適切に判断するよう求めてきた。社会経済活動を維持するためにも、これ以上の感染拡大の抑止をまずは優先すべきだ」
本当に多くの国民が戸惑ったのだろうか。それに菅政権は感染状況に応じて需要喚起策のさじ加減を図っていく方向性を示している。ただ、いまは制限をかける状況にないということなのだ。朝日社説はそのあたりをどこまで認識しているのだろうか。
11月14日付の読売新聞の社説も「コロナ感染拡大 冬に備え万全の対策が必要だ」との見出しを掲げ、「新型コロナウイルスの感染が、またしても拡大している。政府は重く受け止め、あらゆる手だてを講じるべきだ」と書き出す。どうも新聞社説は不安を煽りたいようだ。
読売社説は指摘する。
「ワクチンの開発は米国で最終段階に入ったという。だが、国内で多くの人が接種できるようになるまでには時間がかかるだろう」
ワクチンが完成すれば、感染対策は万全でこれまでの生活に戻れると期待する人は多いだろうが、異物のワクチンにはどうしても大なり小なり副反応がともなう。ワクチン接種で重篤な健康被害が出ることもある。
多くの軽症者がベッドを占有することがあってはいけない
強い副反応は新型コロナ感染よりも怖い。接種が広がるほど、いろいろな副反応が出る。子宮頸がんワクチンの問題を顧みれば分かるだろう。ましてや新型コロナのワクチンは猛スピードで研究・開発が進んでいる。コロナ禍を逆手に取って莫大な利益を上げたいという思惑もあるだろう。しかし治験(臨床試験)にミスあってはいけない。
読売社説は「政府は自治体や医療機関と協力して、PCR検査などの体制を拡充するとともに、病床の確保に継続して取り組む必要がある」と指摘する。重症になる危険性のあるケースに絞った治療も重要だ。
軽症者と重症者とをしっかり見極めてベッドを有効活用すべきだ。多くの軽症者がベッドを占有するようでは、医療崩壊に直結する危険性がある。