「仕事から逃げたかった」アプリ婚の末路

29歳で結婚、32歳で離婚をしたY美さん(33歳)は、結婚した時の心境を「当時の私はとにかく仕事から逃げたかった。毎日の仕事のプレッシャーと、特別なスキルもないまま30歳になるのが怖かったのとで精神的に追い詰められていた」と話す。

そこでY美さんはマッチングアプリに登録し、何人かの男性と会ったのち、半年もたたないうちに6歳年上の男性との結婚を決めたのだった。Y美さんいわく、「正直な話、すぐに結婚してくれる相手なら誰でもよかった」。

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結婚したら落ち着きを取り戻すと考えていたY美さんのメンタルは、意外にもさらに不安定になっていったという。

「まわりを見渡すと、同世代の友人の多くは30代になって責任のある仕事を任されていたり、愛するご主人と子育てに夢中になっていたりしていた。結婚はしていても、仕事のキャリアや家族への愛情など“何も持っていない”自分に焦る気持ちが募っていった」

その後、元夫には自分の正直な気持ちを打ち明け、夫婦で長い時間をかけて話し合った結果、離婚という選択をしたY美さん。現在はIT系の企業に就職し、新しい仕事に意欲的に取り組む日々だという。

「結婚への心構えがなく、身勝手だった私のことを理解してくれた元夫には感謝しかない。自分を磨く時だと思ってしばらくは仕事を頑張るが、いつか本当のパートナーと出会えれば再婚も考えたい」

手続きは簡易化しても、結婚への心構えは必要だ

新型コロナウイルスの影響でオンライン化が進むとしたら、これまでとは異なる結婚への意識が必要になるだろう。なぜなら、コロナ以降、夫婦関係や家族のあり方が変化しているからだ。従来の「同じ屋根の下に暮らしていることが正しい家族」という形だけではなく、「同居していなくてもこのパートナーは大切な人」と考えられるかどうか。お互いを尊重できる夫婦関係を築けるかどうかも、新しい結婚の意識に加わるはずだ。

どんなに手続きが簡易化しても、結婚に対する心構えはしっかりと持っておくことが、ひいては離婚件数を増やさないことにもつながるのではないだろうか。

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