築10年を超えるとマンションの価格が一段下がる傾向にある
特に、築10年を超えると中古マンションの価格が一段下がる傾向にある。例えば財団法人東日本不動産流通機構の調査結果(「築年数から見た首都圏の不動産流通市場」)によると、首都圏の07年に成約した中古マンションの平均価格は、築5年以内で4158万円、築6~10年で3366万円だが、築10~15年になると一気に2225万円まで下がる。ぐっと買いやすくなるのが10年超なのだ。
築10年程度のマンションなら、リフォーム費用もそれほどかけなくて済むだろう。壁や天井のクロスを張り替えれば、表面積が広い部分だけに、見違えるようになる。
直接肌に触れるトイレの交換と合わせて、最低でも100万円程度のリフォーム費用は見込んでおきたい。もちろん、フローリングの張り替えや洗面台の交換など、リフォーム工事の場所が増えるほど費用はかかる。
それでも、2000万円台前半の物件価格にリフォーム費用を100万~500万円上乗せしても、合計で3000万円を切るので、築10年以内の中古マンションより予算を抑えられるといった考え方もできる。こうして見ていくと、質のよいマンションを、手ごろな予算で探しやすいのが、「マンションブーム&進化時代」の築10年超えといえそうだ。
また、10年程度経つとマンションの状態も安定してくるので、チェックしやすいという見方もある。その1つが、マンションの構造面だ。
10年程度の間には地震や台風などを経験しているはずなので、設計や施工に問題があれば、大きなひび割れや歪みなどの形で、マンションの表面に表れてくる。外壁や共用廊下などを見て回って、異常がないか調べることができるだろう。