「自分の権利を侵害されている」と感じると姿勢を硬直化させる
なお「学生時代は女性のほうが優秀だが、就職して社会人となった後は男性のほうが有能である」とする割合もほかの集団より群を抜いて多く(60.9%)、「今韓国で子どもを作るなら娘であるほうがより生きやすいだろう」といった設問にも66.7%が同意している。
また20代男性は、女性寄りの政策を打ち出す文在寅政権に対する不支持率も高い傾向がある。大統領府の政策企画委員会が2019年2月に発表した「20代男性の支持率下落の要因分析および対応方案」では、「文在寅政権の『親女性的』政策への不満の表れ」と分析していた。
韓国の階層社会の最新事情を綴った『世襲中間層社会』(未邦訳)の著者、チョ・グィドン氏は「男女の教育格差がほとんどなくなった現在、エリート男性にとって女性は自身のポジションを脅かす存在であり、非正規雇用で低所得層の男性にとっては、女性は恋愛市場で自身が弱者である現実を突きつけてくる存在」と定義している。
一方で、先に記した「時事IN」の「育児による女性のキャリア断絶に対する支援と補償政策に同意するか」という質問に対する回答は「若干同意」を含めて64%と高く、他世代と大きな差が見られなかった。
こうしたデータから、若い世代の男性も「何がなんでも女性の権利拡大に反対」しているわけではなく、自身の権利を侵害する可能性を感じさせる場合において、極端に姿勢が硬直化するという傾向を見出すことができそうだ。